

低血糖による意識消失発作(疑い)
この頃、3回続けて低血糖によると思われる意識障害発作を経験した。1例は60代の男性で一時Hba1cが6・5%を超えたのでメトホルミン250mg(1×昼)で治療したことがある。Ⅰヶ月後HbA1cが6.2%と改善したので治療を中止したが、それから2週間後その患者は朝方、尿失禁を...


夜間塩分欠乏性脱水症
暑い夏がやって来た。昼間は積極的に飲食ができるので、水分補給は可能だが、問題は夜だ。仮に夜、寝る前に水を飲んだとしても塩分欠乏性脱水症は予防できない。例えば、夕方6時に夕食を摂った場合、翌朝の朝食まで12時間以上の絶食である水分補給だけでは塩分が欠乏する。高血圧や心臓疾患、...


タニタの体組成計より一考
前回「データと濃度」を書いた。赤血球容積を細胞内(ICF)浮腫の指標とした場合、私は常時ICF浮腫である。ガイトンの生理学書 原著第11版を参考にすると70kgのヒトで28.0LのICFボリュームだとされている。仮にMCV97から108に変化した場合、108÷97×28=3...


データ(検査値)と濃度
SGLT-2阻害剤使用時の一過性突発性腸管出血の話を書いた。血液生化学検査のデータとは基本的に濃度なのである。絶対量を表しているのではない。例えばアルドステロン症ではECF(細胞外液)が増大する。その結果、その場合のデータは希釈されて低値を示す可能性がある。浸透圧センサーが...


SGLT-2阻害剤使用時の一過性の突発性腸出血
当院では月間150名ほどの糖尿病患者を診ているがSGLT-2阻害剤使用中、使用後の患者はその3~4割になる。この内3名に下血がみられた。その際、消化器科でTCF等を行ったがほぼ所見なしであった。下血は癌やポリープあるいは炎症性腸疾患でよくみられるが、虚血性腸炎もその一つだ。...


オーダーメードのDM治療
DPP-4阻害剤やSGLT-2阻害剤の特徴は長時間作用型でHba1cを下げる。これはHba1cを指標にDM治療を行う場合には極めて有用である。ただ患者個人の食生活は多種多様であり低血糖を生じる可能性も十分あり得る。たとえば朝食抜きの患者。昼食はコーヒー1杯だけの患者、あるい...


大人の周期性嘔吐症
さらに先日も大人の自家中毒症的な症例に遭遇した。婦人科系の癌で治療中の60歳台の女性だが、空腹になると嘔吐するようになったという。癌の進行は腫瘍マーカーを見る限り進行はしていない。だが嘔吐するという。その方は糖尿病初期でもあったので食事制限を行ない、また偶然にも鬱的な症状も...


二日酔い翌朝の嘔吐
先日、二日酔いで頻回の嘔吐を繰り返す症例に遭遇した。これは発生メカニズムが自家中毒症に似ている。一般的に自家中毒症は子供の病気であるが、飲酒により同じような症状を発現する。すなわちアルコールの直接作用というより、アセトアルデヒドやケトーシスの状態に陥ると生体の反応として嘔吐...


酒飲みとダイエット
酒飲みのダイエットを考えた場合、例えば40度ウイスキー200mlでエタノール(エチルアルコール)換算80gになる。エタノール1gは7Kcalなので560Kcalになる。糖質100gで約400Kcal(おにぎり1個で糖質約35g)、タンパク質100gで400Kcalに相当する...


アルコール性肝障害ALDの実践的治療
当地域は東日本大震災の被災地でもあり被災と復興過程の多くのストレスからアルコール多飲の人が増えた。結果としてアルコール性肝障害(ALD)を呈する者も増加した印象である。元々、酒好きだったが仮設の一人暮らしや失職により昼から酒を飲む者も少なからず存在するようになった。治療の基...