

NASHとNAFLDの実践的治療法
非アルコール性脂肪肝をNAFLDと称するが、それがさらに悪化したものをNASH(非アルコール性肝硬変)と称する。一応1日当たり純エタノール摂取30g以下の慢性脂肪肝をNAFLDして扱っている。確定診断は肝生検で決まるが、日常的によく遭遇する疾患である。一般的に肥満を有する中...


冷え症の正体と対策
先日、テレビを拝見していたらどこかの大学の先生がトンチンカンな話をしていたので正しい冷え症のメカニズムを解説する。冷え症の本体は四肢末梢の毛細血管レベルのシャント、すなわち短絡だ。血液は心臓を出発すると大動脈、中小動脈、最小動脈に至り、毛細血管を経て組織に栄養や酸素を供給し...


フォシーガ錠「エキスパート対談Vol.4」より要点
テキサス大学のDeFronzo先生がSGLT-2阻害剤使用時の脱水について説明している。(以下抜粋) ・・・・・ 「SGLT-2阻害薬投与下ではグルコースとともにNaも排泄されることから、脱水の危険性を懸念する声が聞かれますが、これには誤解も含まれています。...


フルクトース・アタック
この頃、フルクトースすなわち果糖にはまっている。これまで何度か登場したが、ここでもう一回復習する。まず砂糖(スクロール)とはブドウ糖(グルコース)と果糖(フルクトース)の混じったものである。グルコースは直接、血糖値を上げる。しかしフルクトースは直接、血糖値を上げないが、肝臓...


SGLT-2阻害剤の使用後の雑感
要点のみ述べる。 SGLT-2阻害剤を、より有効に使用するためには相当量のNaClと水の摂取が欠かせない。NaClについては焼き魚や漬物といった固形食品ではなく味噌汁などのNaCl水溶液系が、より効果的である。固形の食品は消化・吸収に時間を要するためナトリウム吸収のピークと...


アルコール性脳浮腫のその後
長時間飲酒により脳浮腫を生じると前回説明した。ただ治療としてナトリウムの積極的摂取を試みたが効果は必ずしも得られなかった。これは生体内の浸透圧調整が速やかに行われるためだと考えた。長時間大量飲酒時ナトリウム不足はあってはならないが、もし脳浮腫を生じた場合にはナトリウム過剰摂...


アルコール性脳浮腫について
大量飲酒者にはALDと呼ばれる肝疾患の合併症がポピュラーであるが、それ以外に脳神経系の合併症も知られている。有名なものにWerniche-Korsakoff症候群がある。それはアルコール代謝時にビタミンB1が大量に消費されビタミンB1欠乏を生じるため発症するとされている。ま...


服薬コンプライアンスと糖尿病治療
服薬コンプライアンスという言葉があるが、糖尿病の治療でややこしい点が出てきた。一般的には1日3回より2回、さらに1回で服薬が済むなら飲み忘れは少なくなり、外出時などに服薬忘れはなくなる。また1回で5錠と粉薬1包を服用するより3錠で済ませられるなら患者の服用手間は緩和される。...


エネルギー代謝から考えたNAFLDとNASH
NAFLDとは非アルコール性脂肪肝でありNASHとは非アルコール性肝硬変である。現在、当クリニックでは多数のNAFLDと数名のNASHを診ている。またアルコール性肝障害からアルコール性肝硬変を生じている症例も数例存在する。非アルコール性とアルコール性の肝障害が曖昧な症例も少...


SGLT-2阻害剤のその後
SGLT-2阻害剤を使用していて面白い現象が得られた。血糖値が100mg/dlでも尿糖3+の場合があるし、逆に血糖値が300mg/dlの場合でも尿糖1+程度のことがある。SGLT-2阻害剤使用時、高血糖で尿糖は増すとされているが、これらのケースでは薬効に反している。...