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服薬コンプライアンスと糖尿病治療

  • 盛岡減量研究所
  • 2015年12月18日
  • 読了時間: 2分

服薬コンプライアンスという言葉があるが、糖尿病の治療でややこしい点が出てきた。一般的には1日3回より2回、さらに1回で服薬が済むなら飲み忘れは少なくなり、外出時などに服薬忘れはなくなる。また1回で5錠と粉薬1包を服用するより3錠で済ませられるなら患者の服用手間は緩和される。服薬コンプライアンスが良いとは服薬の手間が最小限、最低量で処方を済ませることである。

例えば糖尿病患者A氏に関して服薬コンプライアンス良い治療を考え下記処方を考えた。

RP. カデュエット(4) 1T   分1朝

    アマリール(1) 2T   分2朝・夕 

    メトグルコ(500) 2T 分2朝・夕

    ジャヌビア(100) 1T  分1夕

とするなら。朝3錠、夕3錠になり、患者にも判りやすく、服用忘れも少なく済むはずだ。

ところが、この患者、朝飯抜きで昼と夕食しか摂らないというではないか。しかも夕食時には飲酒するという。よく聞けば昼はコンビニ弁当かおにぎり、夕食は米飯と惣菜と焼酎だ。

降圧剤は朝に服用したほうが良いと教わった。血圧は起床時から交感神経にスイッチが入り午前中に血圧が高いと教わったことがあるからだ。糖尿病治療は1日3食を摂ることを前提に処方を行う。またアルコールは糖新生を抑制するので夕食時のメトグルコはふさわしくない。また夕食が19時に終了すれば、その後17時間絶食になる。この患者、昼食後3時間目の血糖値が250mg/dlを度々超えていたので下記処方に変更した。

RP.   カデュエット(4) 1T   分1朝or昼

     アマリール(1)  1,5T 分1昼

     メトグルコ(500)1T   分1昼

     アマリール(0,5)1T   分1夕

     ジャヌビア(100)1T   分1夕

この患者の糖代謝は昼から、せいぜい夜半で終了していると考えた。人様の食事様式というか食パターンが常識ではかれないケースも多々遭遇する。ある患者は朝食の際、米1合と脂質抜きのオカズ。昼食は抜いて、夕食に低脂質のオカズに米1合と焼酎だという。思わず唸ってしまう。そのような食生活を何十年も当たり前に送っている。

彼らの糖尿病をメデュケーションいわゆる投薬だけでコントロールするのは相当困難だと考える。やはり栄養士は個人診療所でも必要だと改めて痛感したのである。

 
 
 

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