top of page
検索

アルコール性低血糖2(リブレ)

  • 盛岡減量研究所
  • 2017年9月26日
  • 読了時間: 2分

HbA1cが6.0%程度だが食後高血糖を示す患者に75gOGTTの代わりにリブレを行った。忙しい患者でOGTTを受ける暇がないとリブレの自費検査を受けてくれたのだ。翌朝の食後血糖値が223mg/dlであったので糖尿病(DM型)と診断されたのだが、二日目の夜に異常低血糖を示し無意識のうちにリブレを外して検査は終了してしまった。

結果を添付するが7月25日の21時39分に血糖値が120mg/dlを示したが、その15分後に血糖値70mg/dl、その15分後に血糖値44mg/dl、さらにその15分後の22時24分から血糖値は40mg/dlに低下し、23時24分まで血糖値40mg/dlを示し続けて、リブレを外したようだ。この日は友人と大酒を飲んだということだがリブレが外れた経緯についての記憶ははっきりしない。

リブレは40mg/dl以下は表示できない。実際の血糖値は40mg/dl以下だった可能性がある。つまり就寝後の異常低血糖が1時間以上続いたことになる。この患者に対しては糖尿病薬を使用していない。つまりアルコールが原因で生じた異常低血糖だと考えられた。

普通、血糖値が低下するとグリコーゲンレスキューにより血糖値は、ある程度維持されるのであるが、この患者の場合グリコーゲンが不足していた可能性がある。この患者は漁業関係で肉体労働を日々行っている。連続する肉体労働でグリコーゲン蓄積ができなかったのかもしれない。

グラフを見てもらうと前日より夕食時の血糖値ピークは低いが、血糖値は上昇しており夕食を摂ったことは明らかだ。この患者は毎日飲酒の習慣があるが焼酎の水割り1~2杯程度だというが、異常低血糖を示した夜は友人が来て大量飲酒したと言っていた。

とりあえず結論付けるとしたら未治療のDM型を示す患者が大量飲酒で異常低血糖を生じ意識不明瞭の状態でリブレを外した。原因として肉体労働によりグリコーゲン蓄積が不十分で、摂食により一時、血糖値が上昇したものの大量のアルコールにより糖新生が抑制され異常低血糖につながった。と判断せざるを得ないということだ。

この結果は耐糖能障害のない人にも当てはまるかどうか不明だが、米などを摂らず炭水化物含有の少ない肴(刺身や葉物野菜)で大酒を飲む場合、飲酒後に炭水化物を多少補ってやった方が良いということになる。私の場合、大量飲酒後、未明の就寝中の血糖値は3回、67mg/dlまで低下した。最高血糖値は184mg/dlでありIGTであることが証明されたが、ほぼ運動しないのでグリコーゲン蓄積が十分あったということになろう。

 
 
 

当ホームページ上のすべての文章や画像などの無断転載は禁止します。

Copyright © 2015盛岡減量研究所 All Rights Reserved.

  • Facebook アプリのアイコン
  • Twitterのアプリケーションアイコン
bottom of page