

現時点での肥満に対する薬物療法
肥満というのは遺伝的な素因がなければ食習慣が問題になる。人間は摂取したエネルギーを体脂肪という形で蓄積している。基本的に消費エネルギーと摂取エネルギーは甲状腺ホルモンなどの作用によりバランスしているが、ストレスなどで過食方向に向くことがある。サノレックスは亢進した食欲を抑制...


愛飲家の糖尿病治療
SGLT-2阻害剤はマイルドな糖質制限食と似ているが、ナトリウムやカリウムも喪失することより細胞外脱水症ならび細胞内浮腫を生じ得る。そのため食後に300mg/dl以上の高血糖を示す症例ではグルファストなどの即効型インスリン分泌促進剤やベイスンなどのαグルコシダーゼ阻害剤など...


SGLT-2阻害剤の利尿作用
高血圧症と僧房弁閉鎖不全症のある60歳代女性患者に75gOGTTを施行したところ、MAX230mg/dlを示したため糖尿病と診断した。そのためプレミネントからニューロタンに変更し、その代りSGLT-2阻害剤であるスーグラ25mgを処方した。ご存知のようにプレミネントはARB...


代謝低下に対する甲状腺ホルモン剤投与一考⑴
武田薬品の「リオチロナミンナトリウム錠」効能書より引用(一部略)。 ・・・・・・・・・ 【薬効薬理】 1.体温・エネルギー代謝に対する作用 熱産生の増加、基礎代謝率の上昇、酸素消費の増大をもたらし、これらはチトクローム系酵素蛋白質の増加によると考えられている(甲状腺機能低下...
SGLT-2阻害剤による減量耐性
SGLT-2阻害剤が発売されて1年半になる。当クリニックでは100名弱の患者に使用しているが90%以上使用を継続している。皮疹が原因で中止した者は1~2名、尿路感染症で中止した者は1名、カンジタ症状が出現した者にはジフルカンを併用してSGLT-2阻害剤を続けている。多尿で仕...
閑話休題(透析の話)
私はかつて透析病院に勤務していた。20年も前のことなので細かい点は忘れてしまったが、無尿の腎不全患者が透析終了時から次の透析までに増加する体重は全て細胞外液が分担すると記憶している。つまり体重増加は摂取したナトリウムに正比例して飲水行動が行われ細胞内液と浸透圧でイコールとな...


痩せ遺伝子女性の話
先日、痩せ遺伝子を有する40歳の女性が不調を訴えて来院した。身長167~8cmで体重は45kg前後、甲状腺機能亢進症の家族歴があるが彼女の甲状腺ホルモンは正常範囲(TSHやや低値、FT3やや高値、FT4中央値付近)であった。彼女の主訴はふらつきと吐気、手足のしびれであった。...


女性に対するSGLT-2阻害剤投与について
非閉経女性は排卵前からエストロゲン分泌が亢進して子宮内膜が増殖する(増殖期)。「エストロゲンはアルドステロンや他の副腎皮質ホルモンと同様に、腎尿細管によるナトリウムや水の貯留を引き起こす」(ガイトン生理学より)。また同じ理由で食欲も増す。...


マイコの思い出
歌津八番クリニック用ブログ 東日本大震災総括(番外編その4)に掲載前に。 ・・・・・・・・・ 震災直後より宮城県南三陸町歌津地区でマイコプラズマ感染症が猛威をふるった。そのことについて述べる。まずマイコプラズマ感染症とはNIID国立感染症研究所のホームページより転載する。...
SGLT-2阻害剤と飲酒
私は酒飲みであり減量マニアである。またIGT(境界型糖尿病)であり主として減量目的でSGLT-2阻害剤を服用していた。ところが、ある朝、複視が出現した。また二日酔いとは異なる倦怠感や頭痛をしばしば生じた。原因について検討したところSGLT-2阻害剤とアルコールが重なって生じ...