

アルコール性脳浮腫の対策
アルコール障害は一般的にALDと呼ばれる肝機能障害が知られているが、血液障害も存在する。末期肝障害における血小板減少症ならび大球性貧血、A/G比の低下などである。だが実はアルコール性脳浮腫も存在する。症状はふらつきや眩暈である。これは急性アルコール中毒の際に見られる酩酊が原...


ビオグリタゾンとSGLT-2阻害剤の副作用対策
SGLT-2阻害剤はブドウ糖と共にナトリウムなどの電解質と水を体外に排出するためECFの浸透圧が減少する結果ECFボリュームは縮小する。同時にECFの浸透圧が減少するので浸透圧が高いままのICFに水が移動しICFボリュームが増大する。判りやすくいうと循環血液量が減少し、かつ...


低血糖による意識消失発作(疑い)
この頃、3回続けて低血糖によると思われる意識障害発作を経験した。1例は60代の男性で一時Hba1cが6・5%を超えたのでメトホルミン250mg(1×昼)で治療したことがある。Ⅰヶ月後HbA1cが6.2%と改善したので治療を中止したが、それから2週間後その患者は朝方、尿失禁を...


夜間塩分欠乏性脱水症
暑い夏がやって来た。昼間は積極的に飲食ができるので、水分補給は可能だが、問題は夜だ。仮に夜、寝る前に水を飲んだとしても塩分欠乏性脱水症は予防できない。例えば、夕方6時に夕食を摂った場合、翌朝の朝食まで12時間以上の絶食である水分補給だけでは塩分が欠乏する。高血圧や心臓疾患、...


タニタの体組成計より一考
前回「データと濃度」を書いた。赤血球容積を細胞内(ICF)浮腫の指標とした場合、私は常時ICF浮腫である。ガイトンの生理学書 原著第11版を参考にすると70kgのヒトで28.0LのICFボリュームだとされている。仮にMCV97から108に変化した場合、108÷97×28=3...


データ(検査値)と濃度
SGLT-2阻害剤使用時の一過性突発性腸管出血の話を書いた。血液生化学検査のデータとは基本的に濃度なのである。絶対量を表しているのではない。例えばアルドステロン症ではECF(細胞外液)が増大する。その結果、その場合のデータは希釈されて低値を示す可能性がある。浸透圧センサーが...


SGLT-2阻害剤使用時の一過性の突発性腸出血
当院では月間150名ほどの糖尿病患者を診ているがSGLT-2阻害剤使用中、使用後の患者はその3~4割になる。この内3名に下血がみられた。その際、消化器科でTCF等を行ったがほぼ所見なしであった。下血は癌やポリープあるいは炎症性腸疾患でよくみられるが、虚血性腸炎もその一つだ。...