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アルコール性脳浮腫の対策

  • 盛岡減量研究所
  • 2016年7月22日
  • 読了時間: 2分

アルコール障害は一般的にALDと呼ばれる肝機能障害が知られているが、血液障害も存在する。末期肝障害における血小板減少症ならび大球性貧血、A/G比の低下などである。だが実はアルコール性脳浮腫も存在する。症状はふらつきや眩暈である。これは急性アルコール中毒の際に見られる酩酊が原因のヨタヨタ歩きとは異なる。飲酒翌朝に現れる。

元々はビールを大量に飲んだ翌朝の二日酔いがひどく具合が悪かったのは何故か?という疑問から始まったのだが、後年それが脳浮腫であると理解した。私は数か月SGLT-2阻害剤を服用したのだが、その際ふらつきが酷かった。薬理学的にアルコールもSGLT-2阻害剤も脳浮腫を引き起こす。そのためSGLT-2阻害剤を中止したのだが、ふらつきは相変わらず続いている。

そこで起床時にメニレットゼリーやざるそばの汁を摂ったが、一時的に改善するものの昼食1時間後に脳浮腫によるふらつきが出現した。ところが最近、それは昼食に含まれる炭水化物(ブドウ糖)による高血糖が原因の浸透圧利尿とコーヒーなどに含まれるカフェインによる利尿促進がECFの浸透圧を失う原因だと考えるに至った。またメニレットは初期にはICFに水を引っ張るが、逆にNaの排出も促す。

高血糖による高浸透圧利尿やコーヒーなどのカフェイン飲料の利尿作用は、尿細管でのNa再吸収の防御を超え血中Naは体外に排出しECFの浸透圧が低下する。またECFのNaが失われた結果ICFに水が移動する。つまり脳浮腫の悪化、それが午後のふらつきの原因ではないかと考えるに至った。

ここで自分の間違いに気が付いた。それはブドウ糖すなわちグルコースはICFとECFに均等に分布するという記憶だ。ガイトンの生理学書(原著 第11版 P.50)を参考にするとECFのグルコースは90mg/dl、ICFでは0to20mg/dlと記載されている。すなわち高血糖があると浸透圧勾配により、より簡単に利尿が促進される。つまり食後血糖値が150mg/dlでも利尿は促進される。

現在、私は極力、低張なアルコール飲料の摂取を控えている。つまりビールや低アルコールの缶酎ハイは止めている。ECFが希釈されるからだ。ただラング・デールの薬理学書によると同じアルコール量なら1回で飲んでも2時間おきに4回に分けて飲んでもエタノール除去のゼロ次速度式は同程度であるという。

脳浮腫治療には禁酒が大正解だが、現時点では禁酒の予定はない。高血圧、脈圧に気を付けながら塩盛りし、同時にグリチルリチンを服用して脳浮腫に効果が出るか検証してみるしかないと考える。RBC数と赤血球容積MCVの変化で経過を観察し、結果を報告する予定だ。

 
 
 

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