

NAFLDの診断と治療
先日、診療報酬支払い基金から4型コラーゲン・7Sの検査に対して数名分の疑義の問い合わせが届いた。いわゆる検診レベルのAST、ALT、γGTの項目ではNASHやNAFLDを見逃す可能性がある。特にNASHに達した栄養性脂肪肝では低アルブミンと高アンモニアのみが所見のことがある...


糖尿病の勉強会で
先日、東北糖尿病連携セミナーなる講演会に参加した。今、どのような栄養指導がなされ、どのような治療が行われているのか興味があったからだ。とりあえず驚いたのは持続グルコースモニタ(CGM)が外来で実際に使用されているとのことだ。...


補液の重要性
抗がん剤使用中に極度の食思不振から体重減少を来すことがある。当院でも他院で抗がん剤治療を受けて極端に痩せた患者が二名いる。一人は婦人科系の癌で抗がん剤治療を受け半年で10kg以上痩せた。もう一人は泌尿器科系の癌で、かつネフローゼ症候群を合併し血清アルブミン値が2mg/dl以...


間質性肺炎?
先日、在宅で診ていた90歳の女性が亡くなった。夜中に嘔吐し救急車で某町の病院に運ばれたが3日後に死亡した。入院した翌朝その担当医から間質性肺炎の診断だとのFAXが届いた。私は、すぐに拡張型心筋症の患者だとFAXで返信した。その患者は東日本震災後、心不全が悪化して以来、当クリ...


肥満・糖尿病治療についての雑感
新聞広告等で「するする痩せるナントか」とか「みるみる減量ナントかダイエット」なる健康雑誌の広告が出ているが、あれは何だろうと思うことがある。一般的に「カロリー制限」と運動(有酸素運動)であろう。ただこれは第一世代の減量法である。第二世代は「糖質制限」と「タニタ式」であろう。...


続発性アルドステロン症とNASH
非アルコール性肝硬変症(NASH)は高齢肥満女性に相当数存在する。これらのケースではいわゆるトランスアミナーゼや4型コラーゲン7Sも正常範囲内のことが多くデータ上、その判断が難しい。肝炎としての活動性は低いが低アルブミン血症と高アンモニア血症で発見される場合がほとんどだ。血...


ICF浮腫(脳浮腫)に対する治療一考
アルコールの連日大量摂取は脳浮腫などの細胞内浮腫の原因になる。細胞内浮腫は診断が難しいが、私見では赤血球容積MCVの増大が相関すると考える。以下、私自身が行ったメニレットゼリー60g/日とグリチロン6T/日の併用で得られた結果である。なお私は糖尿病型を示すIGTである。...


低γグロブリン血症を呈するDM患者に対するフルクトース経口投与
糖尿病治療においてHbA1cが重要な指標になる。ところがHbA1cばかり意識した結果、食後の過血糖や、反対の低血糖を見落としがちになる。医療機関にもよるが空腹時血糖とHbA1cなど基準に治療効果を判断するのが基本だからである。日中の低血糖は自覚されるが、ところが夜間に低血糖...


アルコール性脳浮腫の対策
アルコール障害は一般的にALDと呼ばれる肝機能障害が知られているが、血液障害も存在する。末期肝障害における血小板減少症ならび大球性貧血、A/G比の低下などである。だが実はアルコール性脳浮腫も存在する。症状はふらつきや眩暈である。これは急性アルコール中毒の際に見られる酩酊が原...


ビオグリタゾンとSGLT-2阻害剤の副作用対策
SGLT-2阻害剤はブドウ糖と共にナトリウムなどの電解質と水を体外に排出するためECFの浸透圧が減少する結果ECFボリュームは縮小する。同時にECFの浸透圧が減少するので浸透圧が高いままのICFに水が移動しICFボリュームが増大する。判りやすくいうと循環血液量が減少し、かつ...