

久ぶりに脳浮腫
8月の日曜午前、めまい発作に襲われた。前日、土曜日の昼過ぎにウニのパスタを食べながら糖質ゼロの9%酎ハイ500mlを2本飲んだ。ちなみにアルコール換算90g。40度ウイスキー700mlでアルコール換算280gである。ウイスキーのポケット便180mlならアルコールは72gであ...


新・体組成計の臨床への応用(糖尿病編)
糖尿病治療薬の中でビオグリタゾンとSGLT-2阻害剤は、どちらも体液組成に影響を与える。ビオグリタゾンは細胞外液(ECF)を増やすように、SGLT-2阻害剤は減らすように作用する。そのためビオグリタゾンは細胞間隙の水を増やすのでECFを増大させ浮腫と血漿量が増大する。逆にS...


体組成計の臨床への応用(アルコール関係)
大酒家には赤血球容積MCVが増大するケースがある。必ずしも赤血球減少症いわゆる貧血を伴っていないので、私はビタミンB12や葉酸の利用障害や骨髄赤芽球系の抑制ではなく赤血球の膨化と説明してきた。つまり細胞内浮腫の現れと理解している。なぜならアルコール飲料は低浸透圧で、それを大...


体組成計の臨床への応用(信用度)
最近、タニタの医療用体組成計を購入した。韓国に本社にあるInBodyを購入しようと考えたがコストの点でタニタにした。精度はInBodyの方が高いようだがタニタの方が、操作が簡単なので、こちらをチョイスした。そもそも体組成計を購入した理由は体重に占める水の割合を知りたかったか...


飲酒による低血糖対策(予防)
当院では24時間血糖測定器FreeStyleリブレを購入して診療に応用している。先日、とある50歳代の軽症糖尿病患者の結果を見て驚いた。(グラフ参照)大量飲酒後の未明から翌昼過ぎまで50mg/dl以下の低血糖モードが続いたのだ。その患者は男性でBMI32程度の肥満と脂肪肝を...


在宅肺炎
先日、93歳の在宅患者が肺炎で亡くなった。在宅酸素療法を受けていた寝たきりの患者であり低栄養状態が長年続いていた。この場合の低栄養状態とは低アルブミン血症を指すのだが血清アルブミン2.8mg/dl~3.0mg/dlであった。BNP値から心不全が、アンモニア値やトランスアミナ...


重症Ⅱ型糖尿病治療における多剤併用の意味と目的
先日、診療報酬支払基金の突合点検で減点通知が届いた。問い合わせをしたところ薬が多すぎるという指摘を受けた。しかし現在、重症Ⅱ型糖尿病患者の治療には数種類の抗DM薬の併用が基本になる。例えばⅡ型糖尿病の治療の基本は栄養指導が基本になるが、その上で抗DM剤を使用する。世界的には...


起立性低血圧症と反射性高血圧症
先日、大動脈弁閉鎖不全症(ArⅢ°)の患者が早朝眩暈発作を度々、訴えた。農家の70歳代のご婦人で朝食もそこそこに朝から農作業をしている、その際に眩暈発作を生じたという。その後、自宅に戻り血圧を測定したところ収縮期血圧が160mmHgを超えるという。そのせいか高血圧による眩暈...


亜急性甲状腺炎劇症型?
先日、当クリニックの40歳代の女性看護師が突然の発熱と背部痛、さらに両下肢のしびれと脱力を訴えた。3日前に全身の掻痒を訴えて、以来倦怠感が出現したが、それに続いて発熱、背部痛、両下肢脱力が出現したのだ。血算で白血球は軽度上昇し、CRPも軽度上昇、検尿で潜血2~3+、尿中白血...


HbA1c 6.0%の患者の秘密(FreeStyle リブレProにより)
先日、この頃血圧が高いという患者が来院した。酒好きで脂肪肝もあるが糖尿病は大丈夫と語っていた。そこで通常の肝機能検査にヒアルロン酸の項目を追加した。確かにAST、ALT、γGTは軽度異常値を示していたが、なんとヒアルロン酸値が140ng/mlと肝硬変レベルに達していた。...