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肥満・糖尿病治療についての雑感

  • 盛岡減量研究所
  • 2016年8月18日
  • 読了時間: 3分

新聞広告等で「するする痩せるナントか」とか「みるみる減量ナントかダイエット」なる健康雑誌の広告が出ているが、あれは何だろうと思うことがある。一般的に「カロリー制限」と運動(有酸素運動)であろう。ただこれは第一世代の減量法である。第二世代は「糖質制限」と「タニタ式」であろう。ところでエネルギー代謝やICF・ECFなどの体内水分量を考慮して行う減量法は第三世代だと私は考える。

基本的に減量というのは肥大した脂肪細胞をエネルギー出納でマイナスにし、脂肪細胞を小さくすることで体重を落とすことである。だから食事制限と運動なのであるが、長期に渡る食事制限と運動は大変難しい。

また糖質制限を行えば容易に体重は減るが減量耐性ができるのも早い。またサウナや利尿剤は、確かに体重は減るが単にECFの減少にしか過ぎない。ホット・ヨガも同様であるし、熱中症の危険すらある。どんな減量方法でも基本的に脂肪細胞は減らない。脂肪細胞が小さくなるだけだ。

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先日、東京に行った際、タクシーの前席の裏に設置している広告パンフに「針を使わない脂肪除去法」ってのがあって、それを持ち帰った。腹筋の上の皮下脂肪に針を使用せず脂肪溶解剤なるものを導入し体脂肪を溶解するという。ところが使用前後のデータでは内臓脂肪まで減少している。ただ脂肪溶解剤は腹筋の中の内臓脂肪に到達しない。内臓脂肪まで減少しているのであれば、おそらく糖質制限もしくはSGLT-2阻害剤を併用している。

ちなみに脂肪溶解剤とはホスファジルコリンという薬剤で、内服薬は脂肪肝に適応を有するものだが、直接皮下脂肪に刺し注入することで脂肪細胞が減るらしいのだが、詳しくは判らない。おそらく、かつて死者を出した脂肪吸引術より安全性は高いのであろう。

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現時点の減量や糖尿病治療では高インスリン血症を来さない程度の炭水化物の摂取や、高インスリン血症を来さないような食品の選択が一番重要である。また動物性タンパク質摂取する必要がある。脂質は減量するなら控えめの方が良い。サルコべニアDMの患者なら脂質は是非摂取すべきであろう。

私の食後1時間後の血糖値をみると刺身定食では150mg/dl、ウニのパスタでは140mg/dl、なんとパエリアでは190mg/dlであった。ところが大阪王将の餃子8個と半チャーハンでは105mg/dl、ソース焼きそばでは血糖値が104mg/dl以下であった。これは血糖値の上昇を脂質が抑えたと理解できると考えた。

おそらくオニギリ1個程度(炭水化物35g)に対して10g程度の脂質を同時に摂取すると血糖値の上昇は穏やかになると推定してみた。ちなみにペヤング焼きそばは炭水化物64.5gに脂質27.6gとある。この糖質・脂質比だと食後過血糖は避けられる可能性がある。

ただこの結果は私の自験データであり、重症DM患者や減量希望者に有効かは不明である。もし、この件に興味があるならご自身で食品別食後1時間ご血糖値を測定してみてほしい。おそらく今後、糖質・脂質比がDM治療に重要なキーワードになると考える。

 
 
 

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