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オーダーメードのDM治療

  • 盛岡減量研究所
  • 2016年6月13日
  • 読了時間: 2分

DPP-4阻害剤やSGLT-2阻害剤の特徴は長時間作用型でHba1cを下げる。これはHba1cを指標にDM治療を行う場合には極めて有用である。ただ患者個人の食生活は多種多様であり低血糖を生じる可能性も十分あり得る。たとえば朝食抜きの患者。昼食はコーヒー1杯だけの患者、あるいは夕食は酒の肴とお酒だけの患者など。一般的には1日3食摂り、間食、飲酒については可能な限り慎むのがDM食の基本だ。

また朝食は白飯と納豆とみそ汁だが、昼はコンビニ弁当やラーメン、夜はご飯を抜いて刺身や煮物を肴に焼酎2合で済ます、というような食生活を送っている患者がいたとする。この場合の糖質摂取は、朝が40g、昼が70g、夜は10g以下になると想像できる。その場合夜間から未明にかけて低血糖モードを呈している可能性が否定できない。

この場合、仮にHba1cが6.5%だとしても午前の血糖値は200g/dl以下、午後は200g/dl超、夕方から夜は100g/dl前後と推測される。もちろんインスリン基礎分泌量で血糖値は変わってくると思うが、DPP-4阻害剤やSGLT-2阻害剤だと全体的に血糖値を下げることになりHba1cは低下するが、食後の過血糖を下げるのは必ずしも得意ではない。

このような食生活を送っているDM患者に対しては低用量のDPP-4阻害剤やSGLT-2阻害剤をベースに処方し、さらに朝にメトホルミン0~500mg、昼に500~1000mg、夕方にメトホルモンなし。というような処方になろう。すなわち血糖値が高くなる時間帯に厚く、それほど血糖値が上がらない時間帯には薄く短時間作用型の抗DM薬を用いるのがベターだと考える。つまり十分な問診を行ない、患者自身の食生活の内容を知り、それに合わせて治療を行う。

もっとも夜に肴で飲酒する場合、酒量が少なく短時間で飲酒を切り上げられるなら朝食・昼食で摂取したブドウ糖によりグリコーゲンが蓄積されており低血糖モードに至ることはないと思うが、もし江部式超糖質制限やライザップ的な糖質制限をおこないながら飲酒習慣があれば低血糖モードに陥る可能性がある。低血糖モードの証明は困難だが、γグロブリン低値やリンパ球低値さらにはIgG低値があれば低血糖モードに曝されている可能性がある。

現時点ではダンピング症候群やステロイド糖尿病、アルコール多飲のDM患者の低血糖モードの解消にはフルクトースの投与が有効な印象だが、服用のタイミングならびに、その量が確定できていない。話は異なるが、夜中の下肢の筋けいれんにフルクトース5gにNaCl 0.8gとKCl 0.2gを混ぜて水100~200mlに溶き眠前に飲用させると未明の筋けいれんの予防になる。

 
 
 

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