夏季の脱水症ならびに熱中症対策
- 盛岡減量研究所
- 2015年8月1日
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以前にも述べたが痩せ遺伝子を有する者はエネルギー代謝の視点から見ると、発汗が過多で脱水症に陥りやすい。たとえ痩せ遺伝子が存在しなくても、痩せている人は脱水症を生じやすい。
らくだのコブを想像してくれ。らくだのコブは脂肪のかたまりである。決して水袋ではない。しいていうなら脂肪細胞の間隙に細胞外液を多く貯めている。夏季に筋けいれんの有無を問診した際、筋けいれんを生じる大方は男性であった。
これは男性に比べ女性の方が、脂肪細胞が多いからと考える。すなわち女性の皮下脂肪はらくだのコブと同じように作用している。脂肪細胞間隙に水を多く貯めている。脂肪細胞の含水量は多くないが細胞間隙のボリュームは男性より多いと考えられる。
脱水は発汗による水分と電解質の喪失から始まって、あるいは尿の生成から始まる。前者は真夏の炎天下等で生じる現象であり、後者は利尿剤もしくはSGLT-2阻害剤使用中の患者である。
その結果、まず発汗が亢進すると(あるいは利尿が亢進すると)続いて血漿部分が減少する。それと同時に細胞外液間質から水ならびに電解質が血漿に移動する。そこには脂肪細胞間隙の水・電解質も含まれる。
脂肪細胞の水・電解質ならびに筋肉細胞などの水・電解質は保たれる。なぜなら細胞膜が存在する。だって細胞から、ぱかぱか水が漏れたら生命は維持できぬ。
発汗とは恒温動物すべてが持つ生理作用であり、第一の目的は冷却作用なのだ。さらに発汗が続くと血液が濃縮される。発汗は減少すると熱が体内に蓄積される。
だから熱中症の危険があるならTシャツを、あるいはユニフォーム脱いで裸になって日陰で冷風を当てること。まず体温を下げろ。そもそも予め塩類と十分な水を摂取すべき。熱中症の始まりは脱水からだ。
だから朝飯抜きで仕事に出たり、部活をするなら熱中症のリスクは大幅にアップする。また試合中にスポーツドリンクを飲用しても薄すぎて無効なことがある。まず朝起きたら塩と水を摂るべき。その上で、裸になり風をあてる。日本人には梅干しと水だ。