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SGLT-2阻害剤による夜間頻尿・多尿対策

  • 盛岡減量研究所
  • 2015年7月25日
  • 読了時間: 2分

糖尿病治療にSGLT-2阻害剤を用いた場合、頻尿・多尿はやむを得ない。SGLT-2阻害剤は血糖値に依存した利尿剤と理解すれば、食後高血糖が存在すればするほどヒットし頻尿・多尿を生じる。

血糖値が300mg/dl以上の際には、1時間で1Lの尿が生成される可能性がある。循環血漿量は5L弱とされているので、1時間で循環血漿から1Lの尿が生成されることは大変なことだ。

ちなみに私自身IGTなのでSGLT-2阻害剤を服用しているが、昼食後に蓄尿してみたところ1時間で1000mlほどの排尿があった。食後1時間の血糖値は164mg/dlであった。

食事に含まれる水分やミネラルが消化管で吸収されたとしてもSGLT-2阻害による原尿生成量に間に合わない可能性が考えられる。すなわちSGLT-2阻害剤使用中は食後1~2時間は脱水状態にあるといっても過言ではない。

その結果、だるさや倦怠感が出現することがあると、何人かの患者は訴える。私の場合は声に出る。血漿内Na喪失性脱水症の結果、声帯浮腫を生じ嗄声になる。二日酔いの際の声と同じだ。これは細胞内浮腫と考えられる。

この細胞外液脱水ならび細胞内浮腫の対策として摂食1時間ほど前にOS-1であったり梅干し水を摂取して、食後に生じる軽い脱水症を予防する必要がある。

特に長時間飲酒の際には細胞外液脱水と細胞内浮腫を容易に生じるので、より塩分と水分を摂取する必要があると考える。

またスターシスやグルファストのような即効性長短時間インスリン分泌促進剤を併用することもある。またベイスンなどのαグルコシダーゼ阻害剤の併用も理論的には効果が期待できる。ただ経験的に効果は薄い。問題は夜間の多尿・頻尿だ。

ひとつ面白いことを発見した。ロキソプロフェンなどのNSAIDsはSGLT-2阻害剤使用時の頻尿を抑制する。COX阻害剤は腎プロスタグランジンを抑制するので原尿生成のスピードを遅らせる印象だ。

COX-1とCOX-2の違いは清書を参考にしてくれたら良いと思われるが、COX-1は腎プロスタグランジンを抑制するため糸球体血流を低下させる。結果として原尿生成を抑制する(遅滞させる)と考えられる。

もし夕食後、血糖高値より夜間頻尿・多尿を生じる場合COX-1阻害を有するNSAIDsは、これらを抑制する可能性がある。この場合、夜間は比較的高血糖を維持されると推定されるが、とりあえず夜間頻尿・多尿は軽減される。

もし飲酒習慣のあるSGLT-2阻害剤使用中の糖尿病患者ではミネラル喪失による細胞内浮腫の抑制も予防できる可能性がある。またブドウ糖の尿中への排出が遅滞するなら夜間の血糖低下を回避できるとも考えられる。よって夕食後にロキソニン1錠を服用させてみる価値はあるはずだ。

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