閑話休題(話の前段として)①
- 盛岡減量研究所
- 2015年3月10日
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そもそも私が数年来悩んでいることがあった。それは低γグロブリン血症と、それに由来する低IgG血症である。以前にも述べたが、かつて90kg以上あった体重を58kgまで落とした経験があり、もっとも有効な減量法としてアトキンスダイエットにたどり着いた。
ご存知のように極力、炭水化物(糖質)を排除してタンパク質、脂質で生体のエネルギーをまかなうという減量法である。
もう一つ、私は大量飲酒者であり、体重を増やさないためには食事でのエネルギー摂取を減らさなければエネルギー出納はプラスになるとの考えもありアトキンスの減量法を行った。
以前からアルコールは、十分にタンパク質摂取していればアルコールによる肝細胞障害があっても、アミノ酸が供給され肝細胞の再生を促すため、アルコール自体直接、肝臓に影響を及ぼさないと考えていた。
アルコールは血液中のブドウ糖が多い場合には中性脂肪になり、逆にブドウ糖が少ない場合はエネルギー源になるとされている。さらに血液中の中性脂肪はインスリンの働きにより体脂肪や内臓脂肪に蓄えられるのであって、アルコールは糖質摂取をしなければエネルギー源として利用されるため脂肪肝にはなりにくいと考えていた。それゆえ糖質摂取をかなり制限して蒸留酒を選んで毎日、飲みまくっていた。
血液検査では肝機能に異常はなし。ただ血球障害が続いていた。白血球減少と巨大赤血球である。さらに精査するとリンパ球減少と低γグロブリン血症が続いており、当然のことIgGも減少していた。当院の検査では870~1800であるが自身の結果は600~800であったのだ。一般にウイルス性慢性肝炎では血液中のアルブミンは減少し、グロブリン分画とくにγグロブリンは上昇するが、私の場合アルブミンは正常でγグロブリンは減少していた。
震災の前の年、仙台の大学病院の血液内科を受診したが、そこで原因は解らないが酒のせいではないかと指摘された。肝機能に異常なく血球障害やγグロブリン血症が、なぜ酒で生じるのか理由が不明であった。ところが震災後、これらのデータがすべて改善した。正常化したのだ。2~3週間の禁酒と炭水化物中心の食事で正常化した。ただ酒を中止したから改善したのか、炭水化物中心の食生活にしたから改善したのか不明であった。
震災後、しばらくすると酒や肉や魚介などの酒肴も潤沢に手に入るようになったため飲酒と糖質制限を再開したが、その結果またしても血球障害、低γグロブリン血症などが再発したのである。それが結果的に酒か糖質制限か、どちらが原因か決着すべく考察したのだ。