インフルエンザ雑感
- 盛岡減量研究所
- 2017年1月23日
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全国的にインフルエンザが流行中である。当地域でも流行が始まった。インフルエンザは高熱が出るため慌てて病院に駆け込む人が多いが、超急性期では迅速判定キットでは陰性になる。一般的に発熱後12~24時間を経ないと確実に陽性反応がでないことがある。一般の人は、それを知らない。教師も知らないから「すぐに病院に行け」という。例えば朝、発熱したとしてすぐに病院に来られてもインフルエンザの診断は叶わない。
というか基本的に基礎疾患のない若い健常者であれば抗インフルエンザ薬は不要である。乳幼児や高齢者以外はインフルエンザに罹っても、おそらく慌てる必要がない。病院に行かずとも自然治癒するはずである。ただ頑丈な若者でも用心が必要な場合もある。それは気道アレルギーを有するケースだ。アレルギー性鼻炎を有したり、気管支喘息や中耳炎や副鼻腔炎の既往歴があるなら是非、ちゃんと判っている医者がいる医療機関を受診すべきだ。
まずクラスや職場にインフルエンザ患者がいて、急に発熱した場合には間違いなくインフルエンザであろう。あわてんぼうの患者は、すぐに病院に吹っ飛んでくる。インフルエンザの迅速判定検査は陰性、詳しくない医者診れば普通感冒でオシマイ。多分、乳幼児や老人であってもキット陰性なら普通感冒で終わり。頑丈な若者でも気道アレルギーや既往症を確認しないと、それらが再発し悪化する場合がある。
すなわちインフルエンザの診断には迅速判定キットで陰性であってもクラスや職場にインフルエンザ患者がいた場合、臨床症状(特に発熱)からインフルエンザと診断し抗インフルエンザ薬を使用しなければならない。気道アレルギーがあるならロイコトリエン拮抗薬や抗アレルギー剤、既往歴に気管支喘息があるならβ刺激剤か麻黄湯を、既往に副鼻腔炎や中耳炎がある場合には初期より抗生物質を投与すべきである。
これらは感染症学的もしくは医学的には間違った投与法である。なぜなら種々の合併症は発症してから使用すべきであることが正しい使用法だからだ。だが私は、初見で大体勘案して、先に必要となる薬を複数使用する。また当院かかりつけの患者は別だが、明らかにインフルエンザを疑われる患者は診ない方針である。複数の医者がいる病院に誘導する。
もし私がインフルエンザに罹ってしまった場合、当院には代わりの医者がいない。自分がインフルエンザ陽性と判っていながら診察する訳にはいかない。もし私が患者にインフルエンザをうつしてしまったらどうなる。幸い当院は予約制なので飛び込みの患者は稀だ(看板も出していないし)。あらかじめ電話で様態が推測できるので。かつ当院では4時以降しか感冒を診ないことにしている。いずれにしろインフルエンザなんか診ても得はない。