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減量に対する薬物療法⑴

  • 盛岡減量研究所
  • 2015年5月25日
  • 読了時間: 2分

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現在、わが国では減量を目的とした保険医薬品はほぼない。食欲を抑制するというサノレックスはBMI35以上(身長150cmで80kg程度)という条件が付いているし、14日間処方が原則である。また防風通聖散は肥満の病名があるが下剤の類と理解してほしい。そこで当研究所では保険適応はないものの減量に向きそうな薬をピックアップしてみた。

下剤系:防風通聖散、大承気湯、大黄末、塩類下剤など。宿便は下腹ポッコリの原因になる可能性があるので、減量外来では便秘予防に用いられる。減食をした場合、腸管内圧が低下し便秘を招くことも少なくないからだ。また下剤は乱用するものではないので、服用にコツがある。すなわちデートの前や、ここ一番の前にスッキリお腹であれば良いのだ。

利尿剤系:これは主に排卵期浮腫という状態に対応した薬剤である。以前にも述べたが女性ホルモンであるエストロゲンは副腎ステロイドホルモンやアルドステロンと似た化学式を有するため、排卵期前後2週間はナトリウム貯留傾向が強い。よって高アルドステロン作用を有するアルダクトンAを補助薬剤として用いる。

代謝系:いわゆる代謝をアップさせる薬である。甲状腺ホルモン剤や交感神経刺激剤である。

これらを処方する場合、採血による甲状腺ホルモンの検査は必須である。交感神経系刺激剤を用いる場合には心電図検査と心臓病の家族歴の聴取は欠かしてはならない。基本的には安全性の高いβ3刺激剤を用いるが、甲状腺ホルモンとのバランスをみて決める。

メンタル系:ストレスは過食の原因となる。すなわちストレスを軽減させる薬物の選択である。満腹中枢を抑制するとされるサノレックスの効果はそれほどではない。せいぜいプラシーボ効果があるかないかの微妙な医薬品だと考える。また抗不安薬や抗うつ剤の中には食欲が亢進するものもある。そこで頼みは漢方薬である。

抗ストレス薬の代表薬なら「半夏厚朴湯」である。梅核気(ヒステリー球)と呼ばれる症状に対しての効果は相当高い。女性だけでなく男性にも使用できる。抗ストレス効果により食欲抑えられるかスタッフの同意を得て服用してもらった。被験者は30歳代から50歳代の女性3人である。その結果、三人は服薬後1時間ほどで強い眠気に襲われたのである。

試しに男性スタッフにも「半夏厚朴湯」を服用してもらったのだが、眠気はなかった。つまり「半夏厚朴湯」は男性には眠気は発現せず、主として女性に強い眠気を生ずる漢方薬なのではないかと考えるに至った。それは何故・・・・?(続く)

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